2024年11月13日~12月25日開催
第3回「Dining table」
小俣花名
開催趣旨
第3回となるSELA展。今回ご紹介するのは、墨を用いて対象物をリアルに、そして濃密に描き込む、小俣花名さんの作品です。「濃密」と表現しましたが、彼女の作品は、濃密なだけでなく、どこか冷静で淡白な描写が、不思議なリズムというか、魅惑のグラデーションを生んでいるように思います。
ご来館いただき、皆様にも小俣花名さんの作品を楽しんでいただけますと幸いです。
私が小俣花名さんの作品と出会ったのは展覧会ではなく、本などが積み重なった、いわば乱雑な空間に、花名さんが描いた小さな白黒の絵がちょこんと置いてあったのです。雑然とした場所に、負けないくらい濃密で余白のない絵でしたが、そこに描かれていたものは、はつらつとしていて、絵の中の空気だけが澄んでいるように感じたことを今でも覚えています。これは誰の絵ですか?この人は他にどんな絵を描いているのですか?私はその絵の持ち主である女性に尋ねずにはいられませんでした。その女性曰く、自分の姪の娘が描いたものとのこと。武蔵野美術大学の学生で、FACE2020で 優秀賞を受賞していることなどの説明をしてくれ、彼女の作品(「朝ごはん」、「麻雀」、「night cafe」など)の画像も見せてくれました。拝見したどの作品も魅力があり、面白いと思いました。
その時点で、いつかは弊館にて作品を展示してもらいたいという気持ちになりましたので、その方に仲立ちしてもらい、コロナ禍ではありましたが、何度か花名さんとお話しをさせていただくことができました。そして、昨年お会いした時に、2024年に展覧会を行うことで話がまとまり、今回、フレッシュなアーティストのための個展という意味で名付けたSELA展(Solo Exhibition for Lively Artists)に、花名さんが作品を出品してくださることとなりました。会期は2024年11月13日~12月25日まで。タイトルは、「Dining table」。弊館で行う特別展「谷文晁が見たもの、画いたものーアトリエ写山楼訪問―」と同時開催で行います。
今回、展示する作品は、私が最初に観た彼女の作品と同じく、どれも余白の少ない濃密な絵です。ただ、改めて小俣花名さんの作品をまとめて観て気づいたことがあります。それは、濃密と淡白というか、情熱と冷静というのか、作家の対象物への思い入れの具合が、作品の中でも異なり、それがある種のリズムというか、グラデーションのようになっていて、それが作品の魅力にもなっているということです。
第3回となるSELA展。是非ご来館いただき、皆様にも小俣花名さんが描く濃密でクールな世界を楽しんでいただけますと幸いです。