SELA展

Solo Exhibition for Lively Artists

SELA展(Solo Exhibition for Lively Artists)は、東京黎明アートルームが行う、今を生きるフレッシュなアーティストのための個展です。

美を尊び・愛し・楽しむ空間の創造をめざす東京黎明アートルーム。
私どものコレクションは、いわゆる古美術品がメインですが、かねてより若いアーティスト達に作品発表の場を提供したいと考えていました。
開室6周年を機に、地下に展示スペースとカフェスペースを新設しましたので、その一角を利用してSELA展(Solo Exhibition for Lively Artists)と名付けた、今を生きるフレッシュなアーティスト達のための個展を、2022年5月より開催することとなりました。
SELA展のセーラは、世楽(世の中を楽しくする)にも通じます。
この試みが、若く生き生きしたアーティスト達の瑞々しい才能の発揮の一助となり、微力ながら美に寄与することができたならこれ以上の幸せはありません。
他の展示室同様、御来館の皆様の眼と心を楽しませる空間となっていくことを切に希望します。

第3回「Dining table」

小俣花名

小俣花名

開催趣旨

第3回となるSELA展。今回ご紹介するのは、墨を用いて対象物をリアルに、そして濃密に描き込む、小俣花名さんの作品です。「濃密」と表現しましたが、彼女の作品は、濃密なだけでなく、どこか冷静で淡白な描写が、不思議なリズムというか、魅惑のグラデーションを生んでいるように思います。
ご来館いただき、皆様にも小俣花名さんの作品を楽しんでいただけますと幸いです。

私が小俣花名さんの作品と出会ったのは展覧会ではなく、本などが積み重なった、いわば乱雑な空間に、花名さんが描いた小さな白黒の絵がちょこんと置いてあったのです。雑然とした場所に、負けないくらい濃密で余白のない絵でしたが、そこに描かれていたものは、はつらつとしていて、絵の中の空気だけが澄んでいるように感じたことを今でも覚えています。これは誰の絵ですか?この人は他にどんな絵を描いているのですか?私はその絵の持ち主である女性に尋ねずにはいられませんでした。その女性曰く、自分の姪の娘が描いたものとのこと。武蔵野美術大学の学生で、FACE2020で 優秀賞を受賞していることなどの説明をしてくれ、彼女の作品(「朝ごはん」、「麻雀」、「night cafe」など)の画像も見せてくれました。拝見したどの作品も魅力があり、面白いと思いました。
その時点で、いつかは弊館にて作品を展示してもらいたいという気持ちになりましたので、その方に仲立ちしてもらい、コロナ禍ではありましたが、何度か花名さんとお話しをさせていただくことができました。そして、昨年お会いした時に、2024年に展覧会を行うことで話がまとまり、今回、フレッシュなアーティストのための個展という意味で名付けたSELA展(Solo Exhibition for Lively Artists)に、花名さんが作品を出品してくださることとなりました。会期は2024年11月13日~12月25日まで。タイトルは、「Dining table」。弊館で行う特別展「谷文晁が見たもの、画いたものーアトリエ写山楼訪問―」と同時開催で行います。
今回、展示する作品は、私が最初に観た彼女の作品と同じく、どれも余白の少ない濃密な絵です。ただ、改めて小俣花名さんの作品をまとめて観て気づいたことがあります。それは、濃密と淡白というか、情熱と冷静というのか、作家の対象物への思い入れの具合が、作品の中でも異なり、それがある種のリズムというか、グラデーションのようになっていて、それが作品の魅力にもなっているということです。
第3回となるSELA展。是非ご来館いただき、皆様にも小俣花名さんが描く濃密でクールな世界を楽しんでいただけますと幸いです。

開催概要

開室期間 2024年11月13日(水)~12月25日(水)
休 室  日 11月17日(日)、12月3日(火)、12月23日(月)
開室時間 10:00~16:00 ※最終入室は15:30
入室料金 一般 800円 / 20歳未満は無料
※同時開催の特別展「谷文晁が見たもの、画いたもの~アトリエ写山楼訪問~」展もご覧いただけます
※障害者手帳をお持ちの方及び介護者の方は400円引き
※《20歳未満の方》年齢を確認させていただく場合がございますので、年齢のわかるものをご用意下さい
会  場 東京黎明アートルーム
〒164-0003 東京都中野区東中野2-10-13
TEL 03-3369-1868