特別展

良寛の書の世界

~清らかな書の成り立ち~

良寛の書の世界

良寛の書の世界

開催趣旨

越後出雲崎(現・新潟県三島郡出雲崎町)の名主橘屋の長男として生まれた良寛(1758-1831)。名主見習いとなりますが、18歳で出家。22歳の時に備中玉島(現・岡山県倉敷市)の円通寺の国仙和尚に師事します。10余年の修行ののち、諸国を行脚。39歳で帰郷し、国上山の中腹にある五合庵や乙子神社の草庵に住庵。清貧のなかで子供と戯れ、友と語り、多くの人達に親しまれ敬われ、74歳で遷化しました。富や名声を求めず、托鉢僧として村人たちに溶け込む生活を送るなかで、内面を深化させ、無我のなかにある本当の自分を求めた良寛は、和歌・漢詩を能くし、優れて独創的な書を遺したことで知られています。今回の特別展では、日本有数の良寛コレクター秘蔵の作品を中心に、初公開作品を含む47件の「良寛の書」を展観します。

良寛は王羲之『澄清堂帖』、懐素『自叙帖』、平安時代の『秋萩帖』などを江戸時代に流通していた法帖によって学んでいます。今回の特別展では、良寛が学んだ法帖と同手のものを参考資料として展示します。良寛の脱俗的な筆致は、良寛の心から湧き出る感興を情感豊かに表現しているからに違いなのですが、その清らかな書のなかに、しっかりした書法の骨格が存在するのも事実です。良寛が古典からどのような影響を受け、それをどのように生かしたのか。良寛の書法の成り立ちにもご注目いただけたら幸いです。

主要作品
和歌:『秋萩帖』臨書 あきはぎの 和歌:ふるてらに
漢詩:草庵雪夜作 漢詩:地震後詩
漢詩:六曲屏風一双 八月初一日 漢詩:老病覚来不能寝
漢詩:釈尊出家讃 見老病死 短冊:和歌 風は清し
扇面:詩句 壁上 一行:君看雙眼色
自画像賛:四月朱明節 など47件

開催概要

開室期間 2023年5月25日(木)〜 7月11日(火)
休 室  日 6月3日(土)、6月8日(木)、6月15日(木)、7月3日(月)
開室時間 10:00~16:00 ※最終入室は15:30
入室料金 一般 800円 / 20歳未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方及び介護者の方は400円引き
※《20歳未満の方》年齢を確認させていただく場合がございますので、年齢のわかるものをご用意下さい
主  催 東京黎明アートルーム
会  場 東京黎明アートルーム
〒164-0003 東京都中野区東中野2-10-13
TEL 03-3369-1868